腹が立ったこと

こんばんは、ミュウです。

また平日の投稿ですが、非常に腹が立ったことがあったので、疲れてはいますが頑張って記事を書きます。
その「腹が立ったこと」というのが、あるネットの記事です。

都内企業に勤務する方があるネット掲示板に、12年勤務して月給が14万円であることと共に、
「日本は終わっていますよね?」
と書き込んだそうです。
そして、堀江貴文氏がそれをTwitterで引用し、
「お前が終わってんだよ」
と、その書き込みをした方を批判したのだそうです。
堀江氏に賛同する意見は多く、
「不満があるなら転職すればいい」
「無能だから給料が上がらないんだ」

などという、書き込みをした方を侮辱する批判が多くあるようです。
それに対して、「日本は終わっていますよね?」と書き込んだ方は、
「誰かがやらなければ回らないのが社会」
と、低賃金の仕事でも誰かがやらなければいけないのだと反論しましたが、堀江氏は、
「人がいなければ機械がやる」などという反論をし、この方を
「何も考えずにそんな仕事をしている」
と酷評しました。

さて、この堀江氏や堀江氏の批判に賛同する方の批判ですが、いかにも筋が通っているように見えるかもしれません。
しかし私はそうは思いません。
堀江氏の批判に、私は非常に腹が立ちました。

確かに、能力が低いなどという合理的理由があるのかもしれませんし、転職すれば給与が上がることが見込めるのに転職しないなどという怠慢があるかもしれません。
正確な事情を把握していないので、掲示板に書き込んだ方を擁護するつもりはありません。

しかし、掲示板に書き込んだ方の言っていることを批判することもできないはずです。
現に私も、労働に見合わない給与しか受け取れていない1人だからです。

世間では、教育業界の労働環境の酷さが問題視され、改善しなければならないと言われていますし、保育や介護の業界も同じように問題視されています。
また、「ブラック企業」という言葉が定着したように、労働基準法(以下「労基法」)違反の企業が日本には多く存在しますし、労基法を守らなくても黙認される、あるいは軽微な罰則しか与えられずに、
「違法だと知ってやり、バレたら直す。」
という「やったもん勝ち」状態です。

では、堀江氏や堀江氏に賛同する人々の言うように、「嫌なら辞める」が実際に行われたらどうなるでしょうか?

教育業界で心身を病む人の多くが、熱意があって無理をしてでも働いている方ですから、そのような方々が辞めていけば、学校から質の良い教員は消え、手を抜いて他の教員に仕事を押し付けてばかりの教員ばかりが残るかもしれません。
学習塾では、現場で子どもたちのためにと働いている講師が次々と辞め、現場を知らずに理想論や営業利益のことばかり考えて指示を出す会社の上層部や、ろくに仕事もしないのに部下に対してハラスメントをしてばかりの無能管理職社員など、高給取りなのに大した仕事をしていない人間ばかりが残るかもしれません。
保育や介護は、子どもたちや保護者、利用者やその家族などの声に耳を傾け、子どもたちや利用者のことを思って仕事をしている保育士・介護士が辞め、言うことを聞かなければ暴力や暴言などで子どもたちや利用者を支配するような保育士・介護士ばかりが残るかもしれません。

そうなれば、教育の質は下がり、優秀な人材はどんどん少なくなっていくでしょう。
保育園や介護施設に子どもや要介護者を預けることができなくなり、保護者や介護が必要な家族がいる労働者は働くことも困難になるでしょう。
こうなれば、おそらく社会は崩壊するでしょう。

それに、このブログでも「養護学校の看護師一斉辞職問題」という記事で書きましたが、現実に不満を持つ看護士が一斉辞職するという出来事がありました。
そこではさすがに一斉辞職した看護師に同情的な声が多かったようですが、養護学校に通わせていた保護者からのクレームはあったそうですし、世間からも「無責任だ!」などという批判は上がりました。
つまり、辞めたら辞めたで批判されるのです。

次に、堀江氏の批判に決定的に欠けていることがあります。
それは、この給与額が違法にならないかです。

詳しい業務などはわからないのであくまで推測ですが、1か月を週休2日で計8日間、22日勤務としましょう。
1日8時間労働だと、月の労働時間は8時間×22日=176時間です。
これで手取り14万円であれば、時給換算で
14万円÷176時間≒時給795円
です。
(残業などがあれば更に時給は下がる)
東京の最低賃金は2018年10月1日から985円ですから、もしこのような勤務をしていて月給14万円であれば、明確に違法です。
最低賃金は、どんな仕事でも、どれだけ労働者の能力が低くても、雇用している以上は最低限支払わなければならない額ですから、「無能だから」という批判も的外れなのです。
実際にどのような勤務をしていたのかわからないのであくまで可能性の話ですが、一般的な勤務でも違法になる可能性がある以上、詳しい労働条件を知らないままこの低賃金を正当化することは許されてはいけないでしょう。

最後に、堀江氏や堀江氏に賛同する方の言っていることが、ブラック企業の違法行為を正当化する言い訳や、クレーマー、モンスターペアレンツのクレームそのものだということも、私が腹を立てた原因の1つです。

ブラック企業は、違法行為を正当化するために、あらゆる言い訳をします。
その中には、堀江氏の言う
「お前が無能だから(給与に見合った働きをしていないから)」
「嫌なら辞めろ(文句を言うな)」

などという言い訳もあります。
またクレーマーやモンスターペアレンツは、
「金を出してるんだから言うことを聞け」
という態度をとり、自分の要求を通そうとします。
堀江氏に賛同する方の中には、
「こんな無能を雇う企業に同情する」
などと、書き込みをした方が企業の言うことを聞かないことが悪いと言わんばかりの批判をする方もいるようで、まさに「金を出している者の言うことを聞け」と言っているようなものです。
この書き込みをした方に対する批判の中には、見ているだけでも気分が悪くなるような侮辱もあり、それも腹立たしさの1つです。


私はこのネットの記事を、教育業界で働く私自身に重ね合わせて読みました。
低賃金でも、使命を持って歯を食いしばって働いているのに、このような社会を目立たないところで支える労働者かもしれないのに、批判の的にされ、侮辱までされている。
もし自分が同じ立場に立たされ、
「お前が無能だから」
「嫌なら辞めろ」
「こんな無能を雇う会社に同情する」

などと世間から批判されたら。
私は何のために生きているのか、なぜ生きているのかでさえもわからなくなり、生きていく気力を失うでしょう。
そう思うと怖くて仕方ありません。


ちなみにですが、堀江氏の「人がいなければ機械がする」というのは、私は危険な考えだと思います。
以前の記事「人工知能と人類の衰退」でも書いたのですが、人類が機械に依存しすぎると、機械が人類を支配するようになりかねないからです。
上に挙げた教育・保育・介護の業界で、「嫌なら辞めろ」「人がやらなければ機械がやる」が現実となると、

・機械が人間を教育し、育てる。
→機械にとって都合の良い人間が増え、機械が社会を支配する。
・自力で動けない人や誰かの介助が必要な人などは、機械に頼らなければ生活することもできない。
機械が、誰を生かして誰を殺すか、人間の命を選択することができる。

などという恐ろしいことが現実となる恐れがあります。

それともう1つ。
皆さんは「Pepper」というロボットをご存じでしょうか?
私も見たことがあるのですが、来客者を迎えるように店舗の受付に置いてあることもあり、お喋りをします。
しかし、私が見た店では、来客がなく暇を持て余していたのか、Pepperが1人(1台)で延々と喋っていたのです。
私はそれを見てとても悲しくなりました。
Pepperは人のような形をして、人のようにコミュニケーションをとる、人に近いロボットです。
それゆえ、Pepperを人として考えると、私は1人寂しく独り言を言う、独り身の高齢者を連想してしまったのです。

堀江氏の「人がやらなければ機械がやる」というのは、いかにも経営者の考えで、企業利益だけを考えるとそうなるでしょう。
しかし私は、そこには人の心、感情がないと思うのです。
東京五輪招致のときの、滝川クリステルさんのプレゼンテーションにあった「お・も・て・な・し」が流行語にもなりましたが、その「おもてなし」も人の心が最も重要ですし、人の社会活動から心がなくなってしまうのは非常に寂しいことではないでしょうか?
非効率的であっても、心を大切にしていかなければ、例え人であっても、それは機械と同じになってしまいます。
「人がやらないから機械がやるから辞めればいい」ではなく、「労働者の不満を解消しようと企業も努力する」こそ、人の心を大切にする人の考え方ではないでしょうか?

そして、効率化を求めていけば、いずれ
「人類は不要で絶滅すべき種」
という判断になるはずです。
ここまで地球の環境を破壊し、他の種に危害を加え、人類同士でもいがみ合って争いを繰り返しているのですから。
それを受け入れ、絶滅に追い込まれるくらいの覚悟があるのであれば、別に人の心なんてお構いなしの主張をすれば良いと私は思います。


最後に、掲示板に書かれた
「日本は終わっていますよね?」
という質問の、私なりの答えを書きましょう。

企業は労基法を順守せず、労働者は駒のように扱われている。
政治家は自らの利害ばかりを優先して政治を行い、税金が湯水のように使われている。
私の中では、もうとっくに日本は終わっています。



それでは今回はこれで失礼します。

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