暴力に頼る指導者

こんばんは、ミュウです。

ようやく夏期講習が一段落する時期です。
ただ、これで忙しくなくなるわけではなく、別の面で忙しくなるので地獄のような日々は変わりません。
むしろ、ブラック企業には地獄でない日々などないのです。

さて、今回の話題は指導者の暴力についてです。

今、最も世間を騒がせているのは、体操の宮川紗江氏が協会からパワハラを受けていたという主張をしたことについてでしょう。
宮川氏が師事していた速見佑斗氏が、宮川氏に暴力を行ったとして、無期限の登録抹消とナショナルトレーニングセンターでの活動禁止の処分を下されたことに対して、暴力を受けたとされる宮川氏が異論を唱えました。
更に、日本体操協会の塚原千恵子氏からパワハラを受けたとする主張があり、大問題となっているわけです。

第一印象ではありますが、私は宮川氏の主張にはそれなりの信憑性があると思っています。

宮川氏の主張には音声などの証拠はないわけですが、結果を残している宮川氏に不利な選考があったなどとされる情報もあるそうで、宮川氏が不当に不利な扱いを受けていた事実があるかもしれません。
また、実力のある宮川氏を、塚原氏が監督を務める朝日生命のチームに引き抜くために、宮川氏を速見氏から引き離そうとしたのではないかと取れる言動もあったとされており、その言動自体は塚原氏も認めているようです。(朝日生命のチームへの引き抜きは否定)

それよりも私が気になっているのが、パワハラ加害者とされている塚原氏の対応です。
塚原氏は夫婦揃って日本体操協会でそれなりの地位を確立しており、大きな権力を持っています。
そして、副会長を務める、塚原千恵子氏の夫である塚原光男氏は、調査も何もせずに宮川氏の主張を「全部ウソ」と断言しました。
この構図、どこかで見たことがあると思いませんか?
ボクシング協会の山根氏レスリング問題の谷岡氏、そして日大アメフト部の内田氏の構図と同じではないでしょうか?
私はこの塚原氏の全否定発言を聞いて、逆に宮川氏の主張に信憑性を感じました。
証拠に残っていないことだから全否定すれば宮川氏が勝手に言っていることとして処理できる、という魂胆が見え隠れします。

証拠が残っていないので、あくまで報道で明らかになっている情報からの推測ではありますが、問題が全くなかったというのは不自然ではないでしょうか。
ただし、被害者とされる人物の訴えを全て鵜呑みにしているような世論にも、私は問題があると思っています。
塚原氏の対応には問題があると思いますし、疑わしき事例もあるのだと思います。
しかし、その裏にはどんな事情があったかまではわかりません。
加害者とされた塚原氏は「前後が抜けている」という反論をしているようですが、「全部ウソ」とまではいかなくても、もしかしたら本当に前後のやり取りまで聞けば塚原氏の言動が正当なものかもしれません。
もしかしたら、宮川氏が日本体操協会の方針が気に入らないなどで、塚原氏を引きずりおろすために被害者と偽って故意に印象操作をしているかもしれません。
そのような可能性が0とは言えない今の状態で、被害者とされる宮川氏の主張を一方的に信用することに、私は違和感を持っています。

さて、この日本体操協会に対しての批判や宮川氏を応援する声は数多く上がっていますが、私はこの問題の中で別の問題が起こっていると感じました。
それは、宮川氏が速見氏から暴力を受けたことを認め(馬乗りなどの一部の暴力行為は否定)、暴力は許されないとした上で、
「(速見氏の暴力は)パワハラだとは思っていない」
「大怪我や命に関わる場面だったから仕方ない」
「家族も容認していた」
「今はそのような行為はない」
「コーチは反省している」

などと速見氏を擁護したことです。
(暴力行為が許容範囲だとする考えは、周りの意見を聞いて改めたと言っているようです。)

私には教育者として、ここにとてつもなく大きな問題があると思いました。

まず、体罰については以前の記事「「体罰」を考え直す」でも書きましたが、叩くなどの身体的苦痛を伴う行為は、場合によっては必要だと私は思っています。
ただし、それはあくまで最終手段でなければならないとも書いたように、他に手段がない、やむを得ない場合のみ正当化されるべきだと思います。

では、このケースではどうでしょうか?
宮川氏ほどの日本を代表する選手が、体操競技の危険性を理解していなかったはずがありません。
怪我の経験もあるそうなので、怪我が競技や選手生命にとってマイナスになることも理解していたはずです。
ですから、指導で暴力が正当化されるというのであれば、宮川氏が速見氏の指示を無視して危険な動作を行う、速見氏の制止を振り切って許されない行為を行うなど、言葉を尽くしてもダメ、練習場の使用制限・禁止などの物理的隔離をしてもダメ、という状況が起こっていた場合に限られるのではないかと思います。

もしそのような状況でないのに速見氏が暴力を振るっていたのであれば、それを許容していた宮川氏や宮川氏の家族にかなりの問題があると私は思います。
それこそ、速見氏に依存・心酔し、善悪の判断がつけられないほどの状態になっている、塚原氏が発言したとされる「宗教」のような状態になってしまっている危険性があると思います。

もしそのような状況で、速見氏の暴力が(私の中の基準では)正当化されるようなものだったのであれば、そもそも日本のトップレベルの選手である宮川氏がそんなことをしている人間だったという事実が問題として挙げられなければならないと思います。
ここまで速見氏の指示を聞かなかったのに信頼しているという発言をしているのはおかしいのではないかとも思います。

もし速見氏を擁護したいのであれば、どのような状況で、どんな行動をしたときにどのような暴力を受けたのかを宮川氏はきちんと説明すべきではないでしょうか?
それができないのであれば、公表できないほど宮川氏が恥ずべき行動を取っていたか、速見氏の早期復帰のために重要な部分を隠しているのではないかという意図が私には感じられてしまいます。
また、速見氏?宮川氏?への聞き取り調査で、当初は暴力行為の存在自体を否定していたという情報もあります。
もしそれが事実なら、何故当初は暴力行為自体を否定していたのでしょうか?
暴力行為を暴力行為だと思っていなかったのでしょうか?
日本体操協会の対応には疑問がありますが、私は宮川氏や速見氏にも疑問を感じます。

そして最後に。

レスリングの栄氏のときもそうでしたが、選手を思う気持ちがあればどんな指導でも許されるということは絶対にありません。
受けた側がパワハラや体罰と感じなければこれらは認定されないものですが、当事者たちの間では問題にならなくても、そのような指導が周りに悪影響を与える可能性だってあるのです。
ですから、いくら宮川氏が何も問題ないと言っても、最終手段でない状況で暴力に頼る指導をしている人間に指導者としての資格があるのかということも、今回の問題で議論されるべきではないでしょうか。



それでは今回はこれで失礼します。

ブログを読んで何か感想があれば、ぜひコメントにお書きください。
また、このブログが面白いなと思ったら、ぜひ他の方にもご紹介ください。
宜しくお願いします!

 

この記事へのコメント

スポンサードリンク