昔の価値観が正しい?

こんばんは、ミュウです。

世間では3連休と言われ、遊びに行くかどうかという話題になっていますが、塾講師にそんな暇も余裕もありません。
時間的にも金銭的にも、生活に余裕なんてないのです。
と言いつつブログを書いていますが……これはまた別です。

さて、今回の話題は「何が正しいか」です。
これだけでは何が言いたいのかわからないと思いますが、読み進めていけばわかると思います。
テレビ番組でよくご意見番のように意見を言っている芸能人が何人もいます。
その中で、坂上忍氏が出演していたトーク番組で、私は非常に不快になりました。
マネージャーがテレビ局での仕事を終え、その直後にそのテレビ局の周辺で彼女とデートを楽しんでいたという体験談だったのですが、その行動に坂上氏は
「誰かに見られてタレントや事務所に迷惑かけたらどうするんだ!」
「仕事のことを考えてプライベートを過ごせ!」

などと、仕事に配慮しろ、それは昔からこの業界の常識だというような理論を展開してこのマネージャーを批判していました。
その他にも坂上氏は、「先輩の食事のお誘いは断るな」「昔は月給5万で普通」など、違うトーク番組やワイドショー番組などで「昔はこうだった」「自分が子役だった頃はこうだった」などと発言し、それと比べて「今の若い人は」という批判を繰り返しています。
坂上氏以外のベテラン・大御所と呼ばれるような芸歴の長い芸能人からも、そのような昔と比較する発言がいくつも見られます。

確かにこれらの発言には納得できるものもあります。
今は過保護になっていて、度が過ぎていると思うことはいくつもあります。
しかし、皆さんは疑問に思わないでしょうか?
昔を基準にして今を批判していますが、そもそも「昔が正しい」とは誰も言っていないのです。
昔が間違っていて今が正しいという可能性が全く考えられていないのです。

昔は仕事最優先、プライベートは後回しで犠牲になることが当たり前のように行われていました。
しかし、そもそも仕事は生きていくため、お金を得るため、あるいは私生活を豊かにするためにしているという方が多数であって、仕事によって私生活が犠牲になるのは本末転倒です。
だからこそ、労働者の人権を守るために労働基準法(以下「労基法」と記述)があるのです。
その労基法は1947年(今から70年前)に制定されました。
つまり、坂上氏が子役として働いていた時代には既に労基法は存在していたわけです。

では、それを踏まえて考えてみましょう。
マネージャーがテレビ局周辺でデートをするのを禁止するのはどうでしょうか。
坂上氏が言うように、何か不祥事を起こしたらタレントや事務所に迷惑がかかるでしょう。
しかし、それはテレビ局の周辺に限ったことではなく、どこでも同じことです。
それに、例えば反社会勢力の関係者など、明らかに不適切な交友関係だった場合は別ですが(それもテレビ局周辺とは何も関係がない)、私生活で誰と付き合うか、どこに行くかなどは、会社の許可が必要なことではありません。
先輩の食事のお誘いは断るなというのはどうでしょうか。
上下関係によって、自分の意思とは無関係に行動を強制されれば仕事です。
(その人に食事に行く意志がある場合は別だと思います)
ということは、その食事のお誘いを受けたら、食事の時間に対しては給与が発生しなければなりません。
しかも、労基法では給与は現金(振り込みも可)支給が定められており、「食事代を出すからそれが給与代わりだ」という言い訳も通用しません。
ただ、会社との労働協約が結ばれていて、その中に現物支給についての取り決めがある場合は違法にはならないそうですが、それでも現物支給できるものは限られています。
その規定と照らし合わせると、食事は現物支給としては認められないようです。
ですから、例え先輩だろうが、食事のお誘いを断る権利が後輩にはあります。
昔は月給5万が普通だったから今でも月給5万は普通だというのはどうでしょうか。
違法かどうかは昔の給与が高いか低いかなんて関係ありません。
昔が月5万円の給料で許されてきたからといって、現代で月5万円の給料が許されるわけではないのです。
しかも、坂上氏がテレビドラマに初出演したのが1973年だったそうで、その年の大卒初任給は62,300円だったそうなので、今の時代の5万円と比べて偉そうに語る坂上氏がいかにおかしいかというのはおわかりかと思います。(現代の大卒初任給は20万円以上)
また、この件に関しては、和田アキ子氏は「私の時代は月3万」だと豪語していたのですが、和田氏がレコードデビューしたのが1968年だそうで、その年の大卒初任給は30,600円だったそうです。
更に、昔は大卒者も今ほど多くなかったことを考えると、今よりも大卒者の価値は高く、昔の大卒初任給は世間一般から見る給与よりも高い給与になっていると想像できます。
この2人は、いかにも「自分たちだって昔は酷い給料だったんだ!」とアピールしたかったようですが、それぞれが言う「月5万」「月3万」がどれだけ現代では通用しないかというのがよくわかると思います。

以上から、上で挙げた坂上氏が批判している3つの件については、全て坂上氏の個人的な価値観でしかなく、他人に強制してはいけないものであるということがわかります。
そして、もし正当な理由なく私生活を制限するような圧力をかけたり、上下関係による圧力(現代でいうパワハラ)が「昔では当たり前のこと」だというのであれば、単に昔は違法なことが黙認されていただけであり、昔が間違っていたわけです。
それで「昔はこうだったんだから」と言うのは、
「昔は違法なことをやってても黙認されていたんだから、現代でも違法行為を黙認しろ!」
と言っているのと同じことです。

このように、いつまでも昔のことを引き合いに出して現代で持論を展開する「古臭い人」は、実は教育業界にも多く存在します。
学校の教員にも、「団塊の世代」と呼ばれる定年前の(あるいは既に定年した)世代にかなり多いと思います。
昔は「教員=誰でもなれるもの,企業に就職できない人がなるもの」という感覚もあったらしく、教育に対して何の志も信念も持たない教員も少なくありませんし、体罰が容認されていた時代の感覚で指導する教員もいます。
そして、学習塾にもそのような「古臭い人」は少なからずいます。
特に、学習塾を経営する企業の方針を決定する経営陣にです。
健全な企業というのは、各年代の従業員があまり偏りなく所属しているものですが、学習塾業界では、通常なら定年前や定年するような年代が経営陣を陣取り、あとは若い世代が極端に多いという構成になっています。
何故なら、学習塾業界は長く働き続けられる人が極端に少なく、30代~40代の正社員というのは少ない傾向にあるからです。
また、学生アルバイトが多いこともあるので、経営陣に意見できる社員が少ないという傾向もあります。
そのため、更に経営陣の力が強くなり、古臭い考えで学習塾の方針が決定されることもよくあります。
以前の記事「膨大な勉強時間」でも書きましたが、「勉強時間が長ければ成績が上がる」というような根性論による指導が典型的な例でしょう。
その他にも、サービス残業による人件費削減で授業料を下げる経営なども、労基法を無視しても黙認されていた一昔前の感覚によるものでしょう。
このような状態だからこそ、塾業界はブラックだ、学習塾講師のアルバイトはブラックバイトだ、などと言われてしまうのです。

学習塾業界で働く者として、このような昔の考え方による間違った価値観が学習塾業界から消え去り、正常な環境で教育に力を注げるようになることを願います。



それでは今回はこれで失礼します。

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